スタートは布選び。はっきり自己主張!
服らしいものから、見たこともない「服」まで
ヒロコさんのデザイン画の秘密も
<2024年7月26日(金)13:30~16:30>
記録的な猛暑の中、保護者に連れられた子供たちが会場の新宿・文化服装学院に集まってきました。受付を済ませると保護者とはお別れ。
参加者は、小学1~3年生各3名と6年生1名の計10名。当日はコシノヒロコさんをメイン講師に、小篠ゆまさんが進行を担当。さあ、いよいよワークショップのスタートです。
デザイン画から服にするための最初のステップは、各自が選んだ布地を二分一サイズのボディ(トルソー)にピンワークでまとわせて、それをデザイン画に描いてゆくのです。
実際に動く前に、まずはプロの、しかも大ベテランのコシノヒロコさんによるお話。デザイナーになったいきさつから、デザインを行う上で絵を描くことの重要性などを話されました。「子供の時から何かに一生懸命取り組むと身につきます。子供の時は信じられないくらい早く覚えるので、一日でも早くスタートすれば早く上達するのです」と力説。
参加者の自己紹介タイムでは、初対面のお友達やたくさんのスタッフたちに囲まれて、子供たちはやや緊張気味。とは言え、「好きな服は?」の問いには、「可愛い服」「かっこいい服」さらに「クールな服」などはっきり答えていました。
“ヒロココシノ”ブランドの動画を視聴し、デザイン画と実際の服になったものを並べて、ヒロコさんから説明を受けました。いろいろな生地を重ねると面白くなること。絵の描き方は好きなスタイルで、顔が無くてもよいこと。服だけでなくヘアスタイルや靴、アクセサリーなども考えるのもよいこと。子供の体のバランスで考えること。特に強調したのは、「自分の好きな世界を出すこと」でした。ここで、本日のスペシャル。デザイン画を筆で描くというヒロコさんの実演です。
いよいよ子供たちの活動開始。各自に配られている布地見本から好きな布地を選び、ボディの上にピンワークしてゆきます。サテン、レース、ツイードなど様々な布地を思い思いに組み合わせます。ピンワークはスタッフたちに手伝ってもらいつつも、熱心に手を動かします。服らしくなっているものもありますが、見たこともない形の「斬新な服」を表現しているものも。これらを、デザイン画に描くのですが、時間切れ。デザイン画の完成は宿題になりました。ボディに組み上げた服の写真とボディから外した布を参考にします。迎えの保護者との再会にほっとしつつも、充実した時間を過ごした満足気な表情も感じられました。
次週(次回)には、どんなデザイン画ができあがってくるのか楽しみです。それにしても、ヒロコさんがデザイン画を描いたり、ボディ上にピンワークするだけで作品になっていました。スピード感も圧巻でした。
(ファッションジャーナリスト・福田京子)